大切に使われてきたお父様のカフスボタンをお預かりし、お嬢様様への贈り物としてペンダントへとリモデルしました。
素材はPt900製。裏側にあったカフスの固定用の穴は丁寧に塞ぎ、普段使いしやすい上品なペンダントにお仕立てしております。

カフスボタン（正式には「カフリンクス」）は、シャツの袖口を留めるためのメンズジュエリーのひとつ。
欧米では紳士の嗜みとして欠かせない装身具であり、日本でもフォーマルな場で重厚感や個性を演出するアイテムとして親しまれてきました。
その一部を新たに形を変えて受け継ぐことは、装飾品としての意味を超えて、家族の歴史や想いをつなぐ特別な価値があります。

今回お使いしたのは「ボタンパール」。
真円のアコヤ真珠と比べてやや平らかな形状をもち、ころんとした愛らしさと、身に着けやすい安定感が特徴です。
独特の丸みと照りが胸元に柔らかい光を添え、可憐さと気品をあわせ持つ存在感を放ちます。

かつてはお父様の袖口を飾ったカフリンクスが、時を経て娘様の胸元に新たな光沢を宿す――。
家族の絆を象徴するような、温もりに満ちたジュエリーへと生まれ変わりました。